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捻れた世界で誰と踊る?【ツイステ】

第15章 空腹スカベンジャー!【Ruggie】



これは今さっき起こったことである。


「今日は他寮の1年や2年を呼んで今までで一番ってくらいに豪華な宴をするんだ!監督生とグリムもスカラビアに来いよ!!」


カリムのお誘いに、グリムはふな!と耳を立てて"宴"という言葉に反応した。

それもそのはず。
彼は食べるという行為に命を懸けていると言っても過言ではないくらいに、食べ物に対して貪欲なモンスターだ。

グリムにとって宴=飯。
もっと言うなら、ジャミルの作る美味しい料理。
それはオンボロ寮の冷蔵庫に眠る機嫌切迫の食材よりも魅力的であった。

であるからして、グリムは易々と監督生を裏切り、エースやデュースと共にスカラビアの宴へ行ってしまったのだった。


どうしよう。

私一人で食べられるかな。
食べるにしても色んな味の料理を作らないと飽きるだろうな。

グリムは帰ったら食べるとか言っていたけれど、絶対に無理だ。
どうせお腹が3倍の大きさに膨れるまで食べてくるんだから。


どうしたものかしら、と廊下に突っ立ったままスマホで様々なレシピを調べていると、後ろから肩にポンッ、と手が乗せられた。

誰、と叩かれた方向に振り向けば、頬っぺに人差し指がぷにっと指してきた。


「おマヌケさん。」


ニヤッと笑ってラギーは「シシシ、引っかかったー」と嬉しそうにした。

「もう。ラギー先輩」
「はいはい。ゴメンナサイ。おさわり代払うッスから。これでいい?」

スルリと監督生の顔の目の前に出してきたのは紛うことなき、監督生のリップ。
確か、ポケットに入れていたはずの。


「それは」
「アンタそんなんじゃいつか何もかも奪われるッスよ」

はい、といつの間にかスられていたリップを返してもらい監督生は一応中身まで確認した。
大丈夫、無事だ。


「で、そんな難しい顔してどうしたんスか?話くらいならタダで聞いてあげてもいいッスよー?」
「ラギー先輩。実は…」


こうしてラギーに詳細を打ち明けると、彼は言ったのだった。

「そういうことならいい話があるッスよ!食材を提供してくれるんなら、オレが調理してあげるッス。さらに今なら特別に消費するのも手伝ってあげるッスよ〜!」
「じゃあ、お願いします」
「シシシ、毎度あり。」

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