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【HQ】喧 嘩 止 め た ら 殴 ら れ た !

第2章 夏に濡れ衣ぎを着させたい


。。。



 今朝早朝、教室には既に角名くんが運動着姿で朝部活の支度をしてロッカーを漁りながら「おはよう」と一言挨拶を交わす。

「おはよう…………?」

 片手でロッカーを漁りながら、器用にわざとらしく自分の顔の前にスマートフォンをチラつかせる。もしかしたら、今から変身して世界の平和でも守りに行くのだろうか。

「プリキュア?」
「ポーズじゃなくてスマホ見て、俺のスマホ」

 そんなことはいつもの茶番だ。当たり前のようにツッコミを投げ交わすと、諦めたように私の目の前にスマホを突き出した。
 ケータイケースが変わっていることくらい私にだってわかる。なんせ前の席だ。記憶が勝手に処理してくれる。

「……………スマホ、変わった?」
「うんそう。祭の時にはもう変わってる。どう、羨ましい?」
「別に、自分のあるし…」

 そう言って、ブレザーから自分のスマートフォンを取り出すと眉間に皺を寄せてまじまじと私のスマホをガン見する。何か付いてるのか、自分のスマホを覗き込むが特によごれや不自然な点は見当たらない。

「なんか小さくない?」
「一番小さいやつだからね」

 比べてみてと言わんばかりに自分のスマホを差し出す角名くん。
 よっぽど新しいスマホが嬉しいようだ。自慢したいらしい。
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