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【HQ】喧 嘩 止 め た ら 殴 ら れ た !

第2章 夏に濡れ衣ぎを着させたい


。。。。



 毎年二年生の恒例行事であったよさこい祭は、無事に終わりを迎えた。
 当日、事前に知らされていた通り、副実行委員の水田さんはおらんかったけど、事前にいろいろと準備もしてくれたし、多少本部とクラスの出店を往復した程度で、俺が思っていたほど忙しくはなかった。
 他クラスが屋台の骨組みを解体したり、周りに落ちてるゴミを拾ったり、後片付けを済ませ現地解散の準備が始まっている。

「治、ゴミこれで最後やで」
「おん、じゃあゴミ捨て俺行ってくるで集合場所で皆集めとってくれん?」
「了解ボス!」
「誰がボスや」

 ノリよく敬礼をかます同級生にツッコミを入れると嬉しそうに持ち場に戻って行く。
 指定のゴミ捨て場に道中、少し思い出して「フッ」と吹き出した。後からちょっと負けた気分になって、後で一発かましてやろうと心に誓った。

 ゴミ置き場は、屋台や出店をやっていた人達専用に広くスペースが取られていた。山住になったゴミ袋のそばに、両手に持っていた〝稲荷崎高校二年一組〟と黒マジックで書かれたゴミ袋を置いた。ついでに転がっていったのか少し離れに合ったゴミ袋も収集場所に投げやった。

 スマホを開いて、担任の伊藤先生に電話をかけようとするとふいに、なぜか、異様に気になった。
 どこかで聞いた事のある声な気がしたんや。

 道中の少し離れた公園の方で微かに話声がする。小さくても、穏やかな内容でないことはわかった。なにか、揉め合ってる。
 足音に気を付けて近場まで行き、公園の敷地に入らないように顔を覗き込む。

「いい加減にしてよ! そんな昔の話掘り出して――」
「お前小学校の頃言ってたじゃん! お前が俺のこと――――!」
「そんな誰かが流した噂なんか―――――」

 アレ、確かよさこいの服や。車道の真ん中で踊ってた踊り子の。


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