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【HQ】喧 嘩 止 め た ら 殴 ら れ た !

第2章 夏に濡れ衣ぎを着させたい


。。。。



 交通整備で閉鎖された商店街の真ん中に、黒に鮮やかなピンクと紫の花が咲いた和服はひときは映えとった。
 昔みたいな地味なイメージとは違い、時代の流れかイマドキの若者が目を引く華やかな和装にクラスの女子は口々に可愛いと毎年話題になってる。

 皆揃って目尻を狐みたく赤く染めて、お面を付けてる人もいれば口布をしているひともおるし、フードを付けてる人も、狐の耳を付けてる人も、楽器を持っている人達もおって、皆それぞれに音楽に乗って踊っては行進する。
 毎年見慣れた光景やのに、なぜか妙にチカチカして目に触る。辺りが暗くなり始めると街中に掛けてあった提灯が一斉に灯り、わっと歓声が上がった。

 年々地域外からの人も増えて、二年二組の屋台である焼きそばはどんどんと売れて行った。段々忙しくなって、シフト以外の人もヘルプで入るくらい売上は良好や。

「俺休憩やから飲み物買うて来るわ。誰か欲しい奴おる?」

 頭に巻いていたタオルを外しながら、癖づいた髪をかきあげて梳かすと手を挙げながら次々と飛び交う注文に「俺聖徳太子ちゃうぞ!」とツッコミを入れると横からなだめるように実行委員から皆の注文をまとめた紙を手渡された。
 おもわず「流石やな」と口が出る。
 俺は人と通りメモに目を通して「任せとけ」と捨て台詞を残して、煙たい屋台を後にした。


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