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【HQ】喧 嘩 止 め た ら 殴 ら れ た !

第1章 喧嘩止めたら殴られた。





「水田さん」
「う、うん? 何?」

 教室での自然な会話だ。
 周りに人はいるけど、所詮クラスメート。話していてもなにもおかしなことはない。これが一番無難で被害が最小限に抑えられる。間違いない。ここまで来たなら、もう覚悟を決めるしかない。話の内容によって被害は異なるけどこれが今私の思いつく限りの最善策だ。

「今日放課後第二学習室まで一緒に行かん? 話したい事あんねん」

 それを聞いて私は大きく瞬きをする。あれ、思ってたのと違う。そう、違いすぎる。もっとこう…切り出してくるのかと思っていた。

「あ、うん。いいよ………え?」

 動揺を浮かべながらも返事をそう返すと同時に、口が半開きのまま止まった。

 いや、ちょっと待って。なぜか冷汗が止まらない。――なんか変じゃない?

 すでに私の全細胞が盛大なオーケストラが前奏を始めていたことに私は今更気づいてしまう。だって、被害が少ないとはいえそんな言い方したら――。

「治…まさか告白!?」
「ちょっ‼ 水田さんいつから治とそんな関係に!?」
「うるさいわ! 騒ぐな! 俺はただ水田さんに用があるだけや‼」

 治くんと私の話を耳にしていた周囲の人達がそう茶化し騒ぎ立てると弁解を声を大にして言う治くんの声が教室中に響いた。それと同時に私は頭を抱えた。

 私の高校三年間の目標は、達成するどころかぶっ壊れました。


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