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《イケメン戦国》時を越えて

第9章 時を越えて〜顕如討伐〜


〜三太郎目線④〜
「プッ」
「「「ブブッ」」」
「ふっ」
聞いていた武将たちがそれぞれ吹き出す。

「まるで童の文だな。」
おかしそうに言う政宗様が、信長様の似顔絵を見てさらに笑う。
「家康様と幸村様にはなんて書いてあったのですか?」
三成様が尋ねると
「俺には甲賀者を付けた礼。」
「俺は犬笛と上田城で世話になる礼と村正の絵だ。」
それぞれ答えた。

「家康、お前黙って護衛を付けるとかズルいじゃねぇか。」
自分宛の文がなかった事が不満なのか、政宗様が家康様に絡み出した。
「義元様と佐助だけじゃ頼りないと思っただけです。軒猿と饗談が付くとは知らなかったので…。」
面倒くさそうに答える家康様を
「ぶっ。素直に『心配だったから』って言えば良いだろ。」
真田殿がからかう。
「うるさい。俺は別に…心配なんて…」
憮然として答える家康様の耳は赤く染まっていた。

話が落ち着いたところで
「返事を書かれますか?」
俺が尋ねれば
「良い。『小遣いは好きに使え』と伝えろ。」
「読めないのに書いてもしょうがない。」
「『気にするな』って伝えてくれ。」
それぞれ言われた。
「御意」
と答え、下がろうとしたところ
「舞は戦ったのか?」
と上杉殿に尋ねられた。

報告は流れをざっと告げたものだったので、舞様の詳しい様子は伝えていなかった。
「そうですね。戦ったかと言われれば…煙玉とマキビシで敵を翻弄されたようです。そのおかげで村正の到着に間に合い、後はお話した通りです。」
と言うと
「くっ、忍びだな。」
と上杉殿が吹き出し、他の方も笑い出した。

「誠に愉快な女よ。」

そう穏やかに漏らした信長様を見て俺は確信した。
舞様が疲弊し切った信長様の心を癒す存在なのだと悟るには、十分だった。
そんな存在が信長様にできた事はとても大きい。
このままでは、いつか心を壊してしまうのではないかと思っていた俺の心配は杞憂に終わったのだ。俺は心から安堵した。
今回の命は純粋に舞様の身を案じた上でのものだったのだと知る。と同時に、その命を任された自分が信長様から深く信頼されているのだと理解し、柄にもなく胸が熱くなった。

信長様にとって、いや織田軍にとって大事な大事な存在である舞様をお守りすることが、自分の最優先事項となった瞬間だった。
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