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《イケメン戦国》時を越えて

第6章 時を越えて〜現代人トモダチ〜


「……ふー。舞さんの意思は分かった。この件についてはまた改めて話そう。」
「…分かった。私は諦めないから!」
「………」
何を言っても譲らなさそうな舞と織田軍の武将たちの威圧感で苦笑いするしかない佐助だった。


「えーと、じゃあ今度は2つめの話。」
「うん。」
「俺はこの時代に来てからもワームホールの研究をずっとしてる。」
「そうなの?すごいね。」
「まあ、趣味みたいなものだから。それで、君に伝えたいのはワームホールが再び開く日時について。」
「また開くの?」
「うん。そのワームホールでタイムスリップすれば現代へ戻れる。」
「えっ?戻れるの?」
「そう。俺の計算では、3ヶ月後に本能寺付近にタイムホールが現れる。だから、3ヶ月後には現代へ帰れるんだ。」

予想外の佐助の発言に舞のみならず、武将たちも目を丸くする。

「あくまで俺の予想だけど、実現する可能性はかなり高い。」
「そうなんだ。」
思ったのと違う舞の反応に戸惑う佐助。
「…舞さん?もしかして、戻りたくない?」
思わずそう問いかける。
「ううん。戻れるなら嬉しいけど…。」
「嬉しいけど?」
「………」
「俺のことは気にせず、思うことを言って欲しい。」
「…うん。…私は…戻れても戻れなくてもどっちでもいい。かな…。」
「どっちでも良い?」
「うん。…戻ってももう会えないから…。だから、どっちでもいい。」
「会えない?…誰に…か聞いてもいい?」
「……家族」
「……そうか…ごめん。」
「うん…」

二人が黙り込むと部屋は沈黙に包まれる。
しばらくすると

「舞さん、3ヶ月先までまだ時間がある。どうするかはゆっくり決めて。」
「ありがとう。正直、今はまだこの状況を受け止め切れてないの。夢の中でフワフワしてる感じ。」
「分かるよ。そのうち落ち着くと思う。」
「そうだね。…佐助くんは?どうするの?」
「俺は…残る。この時代に大事な人たちができたから。」
「…大事な人たち?家族より?」
「うん。俺は今はその人たちが自分の家族より大事だと思ってる。俺は…現代に未練はないから。」
「そっか。こっちで大事な人に出会えて良かったね。」
「…うん。ちなみに舞さんも大事な人だ。」
「えっ?」
「この時代の大事な唯一の現代人友達だからね。」
「ふふっ、そうだね。お互い大事な現代人友達だね。」

佐助の優しい言葉に舞に笑顔が戻った。
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