第1章 時を越えて〜プロローグ〜
そんな事を考えながらしばらく石碑を見つめていた私は、空模様の変化に気付かず
ポツッポツッーーー
体を濡らす水滴に驚いて空を見上げた。
「あっ」
ーーザーッ
瞬く間にどしゃ降りとなった雨を凌げる場所を探して辺りを見回す。
そして視界に映った白い影。
気付かない間に白衣を着た男の人が横に立っていた。
「大丈夫ですか?傘はありますか?ないなら、あそこの軒下にーー」
思わずその男性に声を掛けた刹那
ゴロゴロゴロッ
ドーーーーン!!
ものすごい轟音とともに起こった稲妻は、私と男性へと真っ直ぐに落ちて着た。
「危ないっっ!!」
男性が叫ぶ声が聞こえたような気がしたけれど、私の意識は一瞬のうちに遠ざかっていった。