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《イケメン戦国》時を越えて

第4章 時を越えて〜呼び名〜


適正試験の話が出た頃には、もう午後になっていた。
内容についてみんなが話す中、

「もう夕餉の仕込みの時間だな。俺は抜けるぞ。」
伊達政宗が立ち上がる。
「えっ?夕餉の仕込みって?伊達政宗さんが作るんですか?」
と驚いて聞けば
「まあ、料理は趣味みたいなもんだ。」

(へぇ、意外だな。この時代ってどんな料理なんだろう?)
興味の湧いた私が
「私もお手伝いしても良いですか?」
と尋ねると
「おお、いいぞ。」
と言ってくれたので、付いていくことにした。
「やっぱりあんたはじっとできないんだね。」
と徳川家康には呆れられたけど。


厨に着いた伊達政宗がさっそく料理に取り掛かる。伊達政宗を真似て襷掛けした私が
「私は何をしたら良いですか?」
と尋ねれば
「じゃあ、そこの大根を桂剥きしてくれ。」
と言われる。
「はい。」
と返事して桂剥きしていると
「お前、すんなり桂剥きできるなんてなかなかすごいな。」
と感心される。
「500年後では自炊していたので、ひと通りは。伊達政宗さんは、いつもご自分で作られるのですか?」
と聞けば
「…さっきから気になってたけど、『伊達政宗さん』はやめろ。」
と言われたので
「えっ?様付けじゃないと失礼でしたか?伊達政宗様?伊達様?」
そう答えれば
「違う!『さん』も『様』もいらねえ。『政宗』と呼べ。」
ムッとした顔でそう言われた。
「でっ、でも…」
「でもじゃねぇ。『政宗』だ。ついでに敬語もやめろ。やめないならここから追い出すぞ。」
と脅されれば、歯向かうこともできない。
「わっ、わかりま…分かった。政宗。」
そう言うと、
「よしっ!それでいい。」
と満足そうに答えた政宗と夕餉作りを再開した。

(政宗は最初から気さくに話しかけてくれて、広間に入る時も気遣ってくれて…。優しいなあ。いい人だなー。)
この時代で良い人に出会えて良かったと安堵し、嬉しくなった。
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