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《イケメン戦国》時を越えて

第3章 時を越えて〜素性〜


財布に入っていた紙幣や硬貨、ICカードと手帳のカレンダーも見せると、なんとか納得してもらえたようで、
「お前を信じる」
とみんな言ってくれた。
とりあえず、信じてもらえたようでホッとする。

『くまたん』は、なぜかとても気に入った様子の信長様に
「それは、私が素材や形にこだわって手作りしたものなんですから大事にしてくださいね!!」
と泣く泣く献上した。

くまたんを手に入れてご満悦な信長様から
「舞、貴様はこの安土城で織田家所縁の姫として暮らせ。」
と言ってもらい、衣食住の不安はとりあえず解消された。
「ありがとうございます。お世話になります。」
深々と頭を下げてお礼を述べると
「良い。貴様は幸運を運ぶ上に俺を楽しませる杞憂な存在だからな。今後も引き続き楽しませろ。」
と相変わらず意味の分からない事を言う。

「楽しませろって言われても…私は特に芸はできませんよ。子どもの頃から習っていたので、茶道、華道、書道、舞踊、武芸、馬術、弓術、楽器は人並みにはやれますけど…。後は外国語は5カ国語なら日常会話くらいは。趣味は裁縫と読書です。」

「「「「「はっ?」」」」」 

「えっ?」
みんなの驚いた声に私も驚く。
「何かおかしな事をいいましたか?」
と問えば
「お前、何者なんだよ。」
と伊達政宗が苦笑いして答える。

「信長様、今申し上げた中で私にでもお役に立てるようなお仕事はありますか?」
と問えば、
「あんた、働く気なの?」
びっくりしたように徳川家康に聞かれ、
「当たり前じゃないですか。『働かざるもの食うべからず』です。ただで居候なんて、そんな図々しいことできるわけないじゃないですか!徳川家康さんには私がそんな人間に見えるんですか?なんかショック…」

役立たずで図々しいと思われているのかと軽くヘコむ。
「いや、そうじゃなくて。姫なんて普通は働かないから。化粧や花札や貝合わせなんかして好きなことをして部屋で過ごすんだよ。あんたは織田家所縁の姫になるんだから、誰も仕事させようなんて思ってない。」
徳川家康の説明を聞いて
「なるほど。そうなんですね。変に誤解してすみませんでした。でも、私は姫でもなんでもないし、部屋にこもってるなんて嫌です。お仕事させてください!」
と再び信長様に頭を下げる。

「変な女…」
徳川家康の呟きが聞こえたけど、聞こえないフリをした。
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