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《イケメン戦国》時を越えて

第16章 時を越えて〜分岐〜幸村ver.後編 ※R18あり


ーーー二週間後。
「みなさん、本当にお世話になりました。」
城門まで見送りに来てくれた、謙信、義元、佐助、軒猿と家臣たちに深々と頭を下げて舞がお礼を言う。

「舞さん、道中気を付けて。また安土に顔を出すよ。」
と佐助が声をかけると
「うん。待ってるね!」
舞は笑顔で答えた。
「舞様、お元気で。」
「またお会いできる日を楽しみにしております。」
竜と弥助もそれぞれ言ってくれる。
「竜さんと弥助さんには本当にお世話になりました。ずっと守ってくださってありがとうございました。また一緒にお団子食べましょうね。」
「「はい。」」
三人は笑顔で約束を交わした。

「寂しくなるな。…ずっとここに居れば良いのに。」
と言う義元の笑顔は本当に寂しそうだ。
「義元さん…。ずっとここにいることはできないけど、また遊びに来ますから。その時はまた一緒に城下に行きましょう!」
「…そうだね。楽しみにしてるよ。」
「はい!」
舞の言葉に義元はいつもの優雅な笑みに戻った。

「……」
「謙信様」
「なんだ」
「色々ありがとうございました。また、遊びに来ても良いですか?」
「あの部屋はお前のものだ。好きに使うがいい。」
「ありがとうございます!…でも」
「でも、なんだ」
「家具や着物はあれ以上増やさないでくださいね?恐れ多くて落ち着かないので!」
「…ふっ。確認しに来ねばどんどん増えて行くかもしれぬな。」
「ふふっ。それは困りますから、時々確認しに来ますね。」
謙信の遠回しな『いつでも来い』に気付いた舞が満面の笑みになる。

毛利元就との決戦が終わり、帰城した謙信たちは、舞と幸村の回復に心から安堵し、舞の記憶が戻ったことをとても喜んだ。舞と幸村の容態が落ち着いたのを見届け、家康と光秀は先に春日山を離れた。舞はしばらく春日山で療養し、家康たちに遅れること十日。やっと、安土へ帰れることになった。安土までは、もうすっかり元気な幸村が付き添う。最初に立ち寄る上田城までは、甲斐へ帰還する武田軍も行動をともにすることになっていた。

舞は、安土で過ごした時間よりも長く過ごした春日山を離れるのが、とても寂しかった。春日山の人々が口々に「ここにいて欲しい」と言ってくれるのが本当に嬉しかった。でも、『自分の帰る場所は安土』、『自分の家族は光秀』という思いの方が勝り、名残惜しくとも帰ることに決めたのだった。
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