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魂の色【銀魂短編夢】

第9章 少しだけ未来の話(銀時裏夢)


暫く二人と楽しそうに会話した遼は、それぞれに何かを渡すと頭を下げて別れて行った。
銀時はその後を慌てて追いかける。
何故かウキウキした様子の遼は、次の知り合いを見つけて走り寄った。

「ああっ、ちょっ、危ない!
 って、今度はヅラかよ?!」

珍しくコスプレをしていない桂とエリザベスに、遼は満面の笑みでエリザベスの手(?)を取り何事かを話しかけている。

「何話してんだ、全然聞こえねー。つーか、いつの間に知り合ったんだ?」

接点が無い二人の会話が気になり、バレないように近付く。

「──また、会ってもらえますか?」
「もちろんだ。なあ、エリザベス」
「ありがとうございます。あの、これ良かったら使って下さい」

遼は桂とエリザベスにも何かを渡すと、足早に去って行き、銀時は慌ててその後を追った。
そうして暫く歩いていると、向こうから志村姉弟が歩いて来て遼に声を掛ける。
遼は妙と何か話すと、新八と一緒に歓楽街方面へと歩いて行き、近くの喫茶店へと入った。
二人はオープンスペースに着席すると、飲み物を注文して話し始めたので、銀時は生け垣に隠れて二人の会話を盗み聞く。

「新八くん、色々とありがとう」
「いえ、僕は何も」
「ううん。新八くんが居てくれたから、何とか頑張れたの。本当にありがとう」
「そんな。遼さんが頑張ったからですよ」
「また、お願いしてもいいかな?」
「僕よりも、銀さんに頼む方がいいんじゃないですか?
だって、あんな人でも遼さんの恋人ですし」
「でも、銀ちゃんだとマンネリ化してるから、何だかうまくいかなくて……やっぱり新しい刺激が欲しいなって」
「それで、僕や土方さん、沖田さん、桂さんたちと?」
「うん。でも、正解だったみたい。みんなのおかげで出来たから」

銀時からは表情が見えないが、明らかに嬉しそうな遼の声にショックを受けた。
話の内容も衝撃的だったが、遼が銀時よりも新八を頼っていた事が辛く、虚しい気持ちにさせる。

「……俺じゃあ、ダメだったのか」

打ち拉がれた銀時は、二人に気付かれぬようその場を離れた。
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