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魂の色【銀魂短編夢】

第9章 少しだけ未来の話(銀時裏夢)


万事屋のソファに座り、遼は懸命に雑誌を捲っていた。

「遼、何読んでるアルか?」
「ああ、これ?」
「……何でこんなの読むアル?」
「実はね……」

斯く斯く云々で、と遼は神楽に説明する。

「本当は銀ちゃんに相談したかったんだけど、まだ寝てるみたいだし、帰るね」
「わかったアル。銀ちゃんが起きたら伝えておくネ」
「ありがとう。じゃあね。あ、持ってきたプリンは早めに食べてね」

遼が帰るなり、神楽は冷蔵庫からプリンを取り出して食べ始めた。
化粧箱に十二個入っていたプリンは、あっという間に九つが神楽の胃に収まる。 
あと三つをバレない内に食べてしまうか悩んでいると、銀時が這いずるように起きてきた。

「うぇぇぇぇっ、気持ち悪ィィ。オエッ」
「そんなとこで吐くんじゃねーアル」
「うるせー……ん、オマエ何食ってんだ?」
「プリンアル」
「一人で何いーもん食ってんだ!俺にも寄こせ!!」

ガバッと起き上がった銀時は、プリンと使い捨てスプーンを手に取り食べ始める。

「二日酔いじゃなかったアルか?」
「甘い物はいーんだよ。つーか、コレどうしたんだ?」
「遼が持ってきたアル。うまく出来たから皆で食べてって」
「じゃあ手作りかよ。いやー、流石遼。いつでも銀さんの嫁になれるな」
「そんなもんなったら遼の一生が台無しアル」

神楽は残った二つのプリンに「さだはる」「めがね」と書いて冷蔵庫に入れた。

「遼も来たなら銀さんの顔くらい見て行きゃあいいのに……ん?」

ソファの上に見慣れない雑誌を見つけ、銀時は首を傾げつつ表紙を見る。
そして、凍りついた。
雑誌のタイトルは『た〇ごクラブ』。
表紙には大きく「はじめてママになります」や「出産準備」の文字が躍る。
恐る恐るページを捲ってみると、「出産までに用意する物リスト」なるページに折り目がついており、幾つか丸がされていた。
一体どういう事だと銀時が呆然としていると、戻ってきた神楽が衝撃の一言を放つ。

「あ、それ遼の忘れ物アル。そう言えば遼が言ってたアルよ。「赤ちゃんが出来たから相談したい」って」
「かっ、神楽ちゃん、もう一回言ってくれる?」
「遼が、赤ちゃんが出来たって……」
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