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魂の色【銀魂短編夢】

第17章 企画【〇〇しないと出られない部屋】


坂本ver.

「いやー、遼と二人きりになるのは久しぶりじゃのぉ」
「何でそんなに暢気なの?」
「あはははは、こんな時に悩んでもしょうがないじゃろ」
「こんな時以外、いつ悩むの?」

どうやら何者かに監禁されたらしいと気付いたのは、ほんの十分ほど前の事だ。
脱出手段も見つからず、遼は打ち拉がれて居たのだが、一緒に監禁されている坂本はいつも通り陽気に笑っている。

「辰馬と一緒で良かったような……ん?」
「なんじゃあ、急にテレビが点いたぞ」
「何か書いてある。えっと、ここはハグしないと出られない部屋です。二人で協力して脱出して下さい。だって」
「ハグ?」
「抱きしめるって事じゃない?」
「成る程。よし、遼、どんと来い!!」

両手を広げて待ち構える坂本に、遼は少し悩んでから、渋々といった様子で坂本に抱きついた。
抱きつかれた坂本も、遼の背中に手を回して引き寄せる。
その瞬間、いとも簡単に扉が開いた。

「本当に開いた」
「いやー、何でもやってみるもんぜよ」
「そうだね。もう離して大丈夫だよ」

遼は坂本から離れようと胸を押すが、ますます強く抱きしめられる。

「ちょっ、辰馬っ!」
「遼も随分大人っぽくなったぜよ。おまんの母親に比べたら胸は小さいが、尻はまっこと安産型──」
「セクハラじゃねぇか!!」

遼の全力で突き飛ばされた坂本は、見事に壁にめり込んだ。

「永遠にサヨウナラ」

倒れ伏す坂本を尻目に、遼は颯爽と部屋を後にした。
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