第5章 手に入れた宝石
「カラ松警部!」
「なんだ」
「イヤミとブラックが窃盗を、東郷が殺人を認めました!」
「よし!でかしたぞ!」
やがて裁判が始まり、イヤミ、ブラック、東郷の3人は証拠が揃っている上に証人も多数いたので多額の賠償金の支払い命令と重い刑を食らった。アカッツカ氏は完全無罪、ヴァカボーン氏は○○の手伝いはしたもののおとがめなし。
「トキワ○○は警官を一人縛りあげたため、本来ならば公務執行妨害ではあるが、その警官が居眠りをしていたので隙を狙われても仕方ない。従って無罪とする」
閉廷となり○○が出てきたところをカラ松が出迎えた。
「カラ松…!」
両手を広げるカラ松。
「おいで」
○○は戸惑うことなくその腕に抱きしめられ、厚い胸板に顔を埋めた。
「ああ…!これで心置きなくプロポーズできる!」
○○から一旦身を離し片膝をつくと、○○の手を取りキスをした。
「俺の女神、ミューズ○○。俺と結婚を前提にお付き合いして下さい」
すると○○も膝をついた。
「カラ松…。私の方こそお願いします。よろしくお願いします」
とたんに鳴り響く拍手。
「よかったな、カラ松!」
「ちっ!幸せにならねぇと承知しないからな!」
「おめでとうございます、お嬢様!」
「でも指輪がない辺り、カラ松警部らしいよね」
「指輪はまた今度だ。それに今は、この目の前の宝石を愛でるのに忙しいからな」
ボカッ!
「いってー!何をするんだ、いちまぁーつ!」
「このクソが!クソなセリフ吐いてんじゃねぇよ!」
「ふふっ。じゃあさしずめカラ松は、サファイアってところかしらね」
「カラ松警部ー」
「おお、十四松裁判長」
「○○さんのご家族には、本当に申し訳なくってさ。僕、ずっと後悔してたんだ。でもやっとすっきりしたよ!お幸せに!」
「ありがとうございます!私もやっと、自分だけの宝石を手に入れました」
幸せそうに微笑む二人を祝福する拍手が、いつまでも響いていた。
完