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勿忘草

第5章 束の間の休息





『どうしたんだ?リヴァイ、遅かったじゃないか』

リ「…いや、少し考え事をしていただけだ。気にするな。」


『そうか、見てみろ。あそこが私のお気に入りの場所だ。』



の視線の先には小高い丘の上に咲く1本の広葉樹、その周りを囲むように丘一面綺麗な花が咲いていた。


絵本に出てきそうな景色だ。



『綺麗だろう?ここには何故かあの1本の大樹しか咲いていなくてな。この周りには猛獣は寄り付かないため、子うさぎやリスなどの小動物達が集まるんだ。』


リ「ほう…悪くねぇな」





2人はその大樹の下へと行き、そこにレジャーシートを敷き座り、お弁当やらを並べた
とりあえず持ってきたおしぼりで手を綺麗にしてからは紅茶を入れていった
リヴァイはから渡されたおしぼりで手を拭きながらその様子を見ていた。
普段自分で紅茶を入れる際には人並み以上にこだわりが強いリヴァイなので、が入れる美味しい紅茶はどのように入れられているか気になった
はまず持ってきた紅茶セットの中のポットとカップを取り出した。
そしてポットとカップに持ってきた湯を入れ湯通しして温めた。
十分に温まったらポットへ必要分の茶葉を入れそこへ沸騰したお湯を注ぎ入れ、フタをした。
蒸す時間は茶葉の大きさによって異なる。この茶葉は大きいため3~4分を目安に蒸した。

その様子を見ていたリヴァイは
リ「しっかりと正しい手順で入れているな」
と感心したように言った
『あぁ、あの時は最近紅茶を好きになったと言ったが、この歳にもなれば最近はもう何年も前のことだ。それを何回も繰り返しているうちに慣れてしまったよ。』

リ「とても綺麗な色をしているな」
『あぁ、この茶葉は季節によって色と味が変わるからな』
リ「ほぉ」
『今はもうすぐ秋になる頃だろう?だから秋の時期はオータムナルと言われている。色は深いオレンジ色をしている。一般的に知られている色だな。しかし、風味がアッサムとは異なる。ダージリンは芳醇な味わいと深い甘みとコクを堪能することが出来る。ストレートはもちろんミルクティーにも会うぞ?』

リ「茶葉の種類は知っていたが季節ごとに異なることは知らなかったな」

『あぁ、あまり知っている人は少ない。私も喫茶店の店主に貸してもらった本を読んで知ったからな』
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