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【鬼滅の刃/煉獄】冬来たりなば春遠からじ

第3章  おはぎと抹茶



それから数日して、咲の義足の修理は無事に完了した。

アオイが、療養している隊士達の看護業務のかたわら頑張ってくれたおかげで、予定よりもずっと早く直ったのだ。

「ありがとうアオイさん!本当にアオイさんは何でも出来てすごいな」

ニコニコと笑顔を浮かべて言う咲に、少し照れたような表情をしながらアオイはツンと顔を上げる。

「べ、別に大したことじゃないわよ。今回みたいな事がまた起こらないように、これからはちゃんと義足の具合も確認するのよ?」

「はい」

コクンと頷いた咲に、アオイは少し表情を緩めて唇の端を上げた。

彼女がこの蝶屋敷で働き始めてから早数年。

初めてこの屋敷に来た時、ほぼ時を同じくして咲は隠になっていた。

最終選別は何とか通過できたものの、その後は戦地に赴き鬼と対峙することがどうしてもできなかったアオイは、すっかり気落ちした状態で、蟲柱であるしのぶに拾われてこの屋敷へとやって来ていた。

自分はどうしようもない腰抜けだ。

鬼を退治したくて鬼殺の剣士になったというのに、恐ろしくて剣も振るえないとは。

何という役立たずっぷりであろう。

自分には存在している価値など微塵も無い。

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