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【鬼滅の刃/煉獄】冬来たりなば春遠からじ

第7章  不死川は…おはぎが好きなのか…



今日、咲は届け物のため水柱・冨岡義勇の屋敷にやって来ていた。

玄関で何度か声をかけてみたのだが、一向に義勇が出てくる気配が無かったので、咲は勝手口の方へと回ってみることにした。

ふわりと風に乗って流れてくる、食べ物の良い匂い。

そう言えばもうそろそろ食事時であったか、などと思いながら咲は、開け放たれている勝手口からひょっこりと中を覗いた。

そこには、割烹着を着て包丁を握る義勇の姿があった。

「義勇さん、お邪魔します」

「咲か。どうした」

しっかりと三角巾までつけたその出で立ちに、咲は思わず口の端を上げてしまう。

(わぁ、可愛いなぁ)

水柱・冨岡義勇は、寡黙で冷静な剣士である。

口数が少なく、ほとんど無駄話というものをしない彼は、その端正な顔立ちのせいで余計に近寄りがたい印象を強めてしまっている。

だが、実は単に人見知りをしているだけであって、慣れた人間が相手であればそれは随分と緩和される。

そしてそのクールな見た目からはあまり想像がつかないのだが、意外と可愛い一面も持っているのだ。

端的に言うと、天然キャラ、というやつである。

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