第7章 誰のせい?② ジェイド・リーチ
「あっ、乗ります」
人あたりのいい笑顔と整った顔立ち。
スラッと伸びた背と、余分な肉が無い身体から心做しかいい匂いがする。
ーん?確かこの人…
「もしかして…リーチ先輩ですか?」
「えぇ、そうですが」
の言っていた頼りになる先輩ってこの人のことか。
物腰柔らかそうだし、確かに優しそうだ。
「俺、藤沢って言います。からよく話を聞いてて…」
リーチ先輩は少しきょとんとした顔をするとまた同じように笑顔を浮かべた。
「あぁ!さんの彼氏さんだった方ですね、いえいえ、彼女は本当によく頑張ってくれていますよ」
自分のことではないが、彼女のことを褒められるとすごく嬉しくなる。
しかし、その前に言っていたことが何か不穏なことな気がしたが、彼女への評価の言葉でもみ消された。
「僕、星占いが好きで、毎朝テレビで見てくるんですが、藤沢さんの星座はなんですか?」
ー結構グイグイ来る人だなぁ…
「俺は…いて座です」
「ふむ、いて座ですか…」
リーチ先輩は何かを思い出す仕草をして、ぽんと手のひらに拳をのせた。
その瞬間、エレベーターがリーチ先輩の目的地に止まり、自動ドアが開く。
「今日の占いは最下位でしたので、お気を付けくださいね」