第6章 誰のせい? ジェイド・リーチ
夜。
とあるラブホテルの一室で男女が交わっていた。
男は綺麗な顔をしており、女を抱きながら目を細めて笑うその仕草は色気が滲み出ている。
女も負けず劣らずのルックスではあった。
暗い部屋でも短くボブほどの長さの黒髪は艶めき、男のピストンに合わせて揺れている。
「ねぇっ、あん、あれで良かった、ンンっ、の?」
「えぇ。ありがとうございました」
「あははっ、ほんと、ジェイドってば悪いやつなんだから…ああんっ!」
女の細い腰が弓なりに仰け反る。
「あっ、イク…!!」
女は小さく痙攣して、男の身体に倒れ込む。
男は素っ気なく女を横に寝かせて、ベッドに座った。
ーこの女をだと思って抱いているだなんて知ったらは軽蔑するでしょうか…
弱みに漬け込むことしか出来ない僕を許して欲しい。
どうしてでも貴女が欲しいから。
貴女が僕に笑いかけてくれたあの時からずっと貴女の事だけを見ていた。
なのにあんな男に奪われてはたまらない。
ゆっくりでも確実に、僕のものに。