第12章 発情メイドと欲張り王子 レオナ・キングスカラー
ー来ちゃった…
朝、起きた時から止まらない胸の高揚感。
吐き出す息が全て甘ったるい気がしてくる。
私だけでなく全ての獣人たちはこの現象の名前を知っていた。
ー発情期…♡
それは繁殖のために年に一度起こる性衝動で、メスは他のオスを求めて、オスはメスを求めて発情する。
下腹部の疼きはわずかながらもじんわりと身体の中に広がっていき、ゆっくりと淫らな気分にさせていく。
キングスカラー家では発情期を迎えた使用人たちは安全などの面から休暇をもらえるが、こんな状態でも性処理メイドは仕事をしなければならない。
むしろ発情しているくらいが丁度よいといった具合である。
とりあえず私はレオナ様を起こすために部屋に向かった。
「失礼します」
扉を開けるとレオナ様は相変わらずまだ寝ていた。
私がレオナ様の元へ近寄ると、ぴくん、と耳が揺れて、喉の奥を鳴らしながら薄く目を開けて私の方を見た。
「おはようございます」
ひょっこりとレオナ様の顔をのぞくと、勢いよく後頭部を掴まれ、レオナ様の顔の近くに引き寄せられる。
「あああのっ、レオナ様…?ひゃ…」
首筋に顔を埋めたかと思えば、ざらざらとした舌で大胆に舐めあげられ、背筋に甘い感覚がかけのぼり、膝が抜けそうだった。