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 醒めない夢を 【短編集】【R18あり】

第11章 メイド服を脱がせて レオナ・キングスカラー


・・・

「く、るし…」

ツタが喉元に絡まって呼吸が出来ない。
もう意識が遠くなってきて目の前が霞む。

「たす、け…て…」

思い浮かぶ顔は1つだけだった。
夕焼けに揺れる貴方の___

「!!」

ドアが勢いよく蹴られて、部屋に轟音を立てながら床に転がる。
ツタがサラサラとした砂になり、気道に空気が入ってきて、私はむせ込んだ。

「ごほっ!ごほごほっ、ごほ…レオナ様…?」

涙で視界がボヤける。
ダメ、こっちに来ないでよ。

「心配させんな」

力強く抱きしめられる。
暖かい温度と硬い胸板。細い茶色の髪。

「…うぅっ…レオナ様…」

押しのけなきゃ。
レオナ様が幸せになるのは私とじゃないの。
なのに身体がこの暖かさを覚えていて、私はおのずと腕を回して胸板に顔をうずめた。

「俺のことが嫌いか?」

「……きらい、です…」

うそ。本当は大好き。

「抱きしめられて気持ち悪いか?」

「気持ち、悪い……」

違う。心地よいの。離さないでって思ってる。

「…本当は?」

優しい宥める声が降りかかる。
溢れ出したものは止まらなくて、私は泣きじゃくりながらこう言った。
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