第11章 メイド服を脱がせて レオナ・キングスカラー
・・・
「く、るし…」
ツタが喉元に絡まって呼吸が出来ない。
もう意識が遠くなってきて目の前が霞む。
「たす、け…て…」
思い浮かぶ顔は1つだけだった。
夕焼けに揺れる貴方の___
「!!」
ドアが勢いよく蹴られて、部屋に轟音を立てながら床に転がる。
ツタがサラサラとした砂になり、気道に空気が入ってきて、私はむせ込んだ。
「ごほっ!ごほごほっ、ごほ…レオナ様…?」
涙で視界がボヤける。
ダメ、こっちに来ないでよ。
「心配させんな」
力強く抱きしめられる。
暖かい温度と硬い胸板。細い茶色の髪。
「…うぅっ…レオナ様…」
押しのけなきゃ。
レオナ様が幸せになるのは私とじゃないの。
なのに身体がこの暖かさを覚えていて、私はおのずと腕を回して胸板に顔をうずめた。
「俺のことが嫌いか?」
「……きらい、です…」
うそ。本当は大好き。
「抱きしめられて気持ち悪いか?」
「気持ち、悪い……」
違う。心地よいの。離さないでって思ってる。
「…本当は?」
優しい宥める声が降りかかる。
溢れ出したものは止まらなくて、私は泣きじゃくりながらこう言った。