第8章 衝動 【マリンフォード 頂上戦争】
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ロー達の後を追い、竪琴を担いで処置室を飛び出した。
船内の廊下ですれ違ったジャンバールが抱えているのは生きているのかも疑わしい程の怪我をしている七武海・ジンベエ。
ベポが抱えているのは
──── やはり ルフィ…………!!
荒波と左足の痛み。
激しく揺れる艦内。
左右の壁に順番に身を預けながら、どうにか甲板への階段を昇る。
「!」
パシッ
ローが受け取ったのは、飛んできた麦わら帽子。
「アルコ、さがれ」
掴まれた腕をアルコは振り払う。
「一撃だけ」
「…………」
「キャプテン! はやく!!」
「お願い」
アルコの強い眼差しに押され、あきらめたローは足早で階段を降りていった。
「ベポ」
階段の上に目配せして、アルコを援護するよう指示し、手術(オペ)室へ降りていく。
大剣を抜き、一歩だけ甲板に出ると冷たい暴風が ほほをこすり、長い黒髪を巻き上げた。
パキ パキ パキ パキ パキキキ……
荒波が凍りながら迫ってくる。ルフィを狙う大将“青キジ”の能力だ。
──── 斬撃と気配で、きっと おじさまなら気づいてくれる
遠い………………が、届いて……!!
ブンッッ!!!
ズジャァァッッッ!!!!
氷塊となった荒波が、大きく真横にスライスされる。
ドドンッッ!!! ドンッッ!!
遠くの船が衝撃を受け、少し遅れて破裂音をあげた。
「アルコ!! 限界だ! 潜るよ!!!」
*
ベポが閉めた重い扉にもたれて座り込む。
「行って。……ルフィを、助けて」
ベポは不安そうにうなずき、急いで階段をかけ降りて行った。
──── ねえ、ロー
あなたにも わかるでしょう
なぜ、彼を助けないといけないか
言葉では上手く言い表せなくても
あなたにも わかったんでしょう
アルコは その場に座りこんだまま、慌ただしい艦内を みつめていた。