第5章 in the dark
「んっ、はぁ、………… んっ… 足りない」
「ハァ…ハァ… そうかよ……っ!!」
グイッ
上に押し付けられていた手をほどかれたかと思った瞬間、膝裏を持たれて片足を抱えあげられる。
ズップププ……
「んはっ …っ!!!………っくっ!!」
太い杭が打ち込まれる。
背に爪を立て、肩に歯を立てる。
「ぐっ…………っ」
挿入された余韻もなく、すぐ抜かれ、いきなり早い動きで突かれる。先ほどまでの凍えるような寒さも、背中を土壁に押し付けられる痛みも、体内の熱さに負けて ほとんど感じない。
「んっ」
ググッ…
「!!」
ズッ…、ズッ…
「……ハァッ…ハァッ…」
グッ…、ズッ…
「んっ……! ぁ…!」
暗闇の中にこらえるような喘ぎと、肌を押し付ける音だけが響く。
アルコは歯を食い縛り、口内にはうっすらと血の味が広がった。
──── 負けない
負けたくない
この男には
せめて女としては ────
アルコは、急に身体の力を抜き、足を押さえつけていた彼の手を優しくほどかせた。
「はぁ……」
ほどかれた足は肩に担がれ、従順になったようなアルコの態度に安心したのか、ゾ口は一旦動きを緩めた。
土壁に手をつきアルコの身体から距離をとり、長いストロークの感触を確かめるようなピストン。結合部に目を凝らしているようだが、暗闇に包まれていることでそれは叶わず、擦れる感覚だけが研ぎ澄まされる。
「…ハァッ…………ッ…………ハァッ………」
「……………はっ…………はぁ………」
アルコは息を整えながら足を動かし、砂がついて ざらついた足の裏を彼の胸に当てる。
「?」
次の瞬間、アルコはゾ口の胸板を思い切り蹴り飛ばした。
「うおっ?!!」
挿入も抜け、バランスを崩した彼は地面に倒れこむ。
「ぃってェ……」
後頭部を打ったのか。
頭を さする音が聞こえる。
「悪かった、つい ────」