第21章 in the silence
いつもそう思ってるのに
お前の演奏を聴いて
観て
いつも いつも
初めて会った時から
ローはアルコを後ろから優しく抱きしめた。
ローに『ある衝動』が沸き起こる。
『愛されたい』
『好きだ』と言ってしまいたい
『愛』を差し出し
アルコからの『愛』を受け取りたい
自分だけのものにしたい
そうすれば、どんなに安心するんだろう。
どんなに満たされるんだろう。
しかし
おれには
やらなければならないことが
命を賭しても
やらなければならないことが
それを成し遂げるまでは
そんな資格はないハズだ
どんな策を練っても
どんな可能性を考慮しても
ここから先は、自分の命を賭けることが必須事項。そのリスクを避けていては本懐は遂げられない。
それにもし おれが死んだ時 ────
アルコは『自由』であるべきだ。
もし今
『好きだ』と言ってしまえば
おれがいなくなった時、アルコの心を縛る新たな『呪縛』となるだろう。
おれのせいでコラさんが死んで
おれが未だに あの兄弟の“愛情”と“憎悪”の『呪縛』に囚われているように
それは、ダメだ
それだけは、ダメだ
何をおいても
何を犠牲にしても
どんな嘘をついても
アルコの『心を傷つけない』ことが第一
アルコの『身体』のために
『心』のために
きっとそれが
コラさんから教えてもらった
『本当の愛』
お前から教えてもらった
『本当の自由主義』
そうだろ