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俺様主君といたずらな恋

第10章 君と見たい未来


ひなこside

私が取った行動は
間違いじゃなかっただろうか?

朝丸山さんにお弁当を預けてから

仕事中も

帰宅中の今も

ずっとずっと考えている


私がしたことは

ただのお節介でしかなくて

もしかしたら迷惑なだけかもしれない



でも…

それでもテレビ越しに見た大倉さんが


あまりに辛そうで

笑顔なのに泣いてる気がして



ほっとけなかったんだ…



ずっとずっと大倉さんのことばかり
一日中考え過ぎて


今私には

見えるはずのない大倉さんの姿が


玄関の前に見える…


大きな体を小さく丸めて

玄関の前に座り込む姿は


きっと私が作り出した幻想で

現実にはあり得ない…



それでも小さなその背中を

抱きしめてあげたくて



ゆっくりと近づいて
抱きしめてみると


体から伝わる温もりは

間違いなく大倉さんのもので



「どうしたんですか…?」


そう聞いた私に


答えることなく


大倉さんはただ静かに

私の背中に手を回して

静かに…


でもとても悲しそうに


小さな嗚咽を喉から漏らした…
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