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【名探偵コナン】misty【降谷零/沖矢昴】

第4章 優柔と懐柔


目を覚ますと窓から見える景色は夕空だった。
ベッドサイドのテーブルにはミネラルウォーターが置いてある。
起き上がり水分補給をする。

喉は痛く、身体は気怠かった。
冷たいシャワーを浴び髪を乾かさず寝たは、本気の風邪をひいてしまった。

『体力には自信があったのに…』

ケホケホと乾いた咳が出る。


―――コンコン


『はぃ』
「起きたか」

お粥とお茶とスポーツドリンクと風邪薬がトレイの上にのっていた。

「少しでも食べた方がいい」
『ありがとう、いただきます』

お粥はすごく優しい味がした。
完食しお茶もいただき薬も飲んだ。

『あの、すば「赤井秀一だ」…赤井さん』
「秀一でいい」
『秀一、話ししても?』
「ああ」

風邪でなのか状況でなのか、はたまた両方か、思考のゆるい頭で考える。

『秀一が謝る事は一つもないわ。私が自分で選んだ事だったもの』
「…付け入った負い目があるからな。悪かった、とは思わずにいれんな」 
『あんな顔を見せたからでしょう?卑怯な事をしたと思うわ。ごめんなさい』
「気にするな」

優しく笑い頭を撫でる"秀一"は" 昴" より大人の男に見えた。

「無かった事にすれ『ならないわ。それこそ卑怯だもの』そうか…」
『秀一とは二度と寝ない、彼の元へも戻れない』
「…そうか」
『勝手言ってごめんなさい』
「いや、いい。決めた事だろう」
『うん』

"薬も効いてくるだろう、ゆっくり寝ろ"と身体をベッドに押し付けトレイを回収し、彼は部屋を出た。
閉じたドアに背を預け大きく息を吐いた。

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