• テキストサイズ

『鬼滅の刃』夢の戯れ

第4章 鈍感な君に送るもの『竈門炭治郎』





鬼殺隊に入るまでは恋なんて何も知らなかった。


周りのみんながわーわーたのしそうに話しているのを見て、いいなぁくらいにしか思ってなかった。



でも、ある日目の前で両親を殺されて。

鬼殺隊に入った私は、初めて新しい感情を知ったんだ。



それは、かつての私が遠目から見つめていた恋、というものだと気づいたのは最近の話だ。




でも、私の恋にはある大きな問題があった。

しかも、かなり想定外の。




それは....




私の好きな人は、めちゃくちゃ鈍感だったこと。














「た、炭治郎!!」


今日も私は任務終わりに私の好きな人を見つけてその人の方へと駆けた。


「ん?どうしたんだ?」


その人もニコっと笑って私に笑いかける。

そして今日も私はその人に想いを伝えるんだ。


「炭治郎あのね、私....炭治郎が好きなの!」


「うん!俺も好きだぞ!」


「....」


そうこれが。


私達のいつもの会話だった。






間髪入れずに返された言葉に今日も撃沈する私。


「あのね炭治郎、好きって言うのはそういう意味じゃ....」


「たーんじろーーお!!!!!」


「あ、善逸が呼んでる!ごめんまた話聞くな!」


「あ、え、あの、」



たったったったっ....



瞬きする間にもういなくなってしまった炭治郎。


「...はぁ、」


姿が完全に見えなくなったところで、私は大きくため息をついた。


(...炭治郎は本当に私のことなんとも思ってないのかなあ)


そしてもう明るくなってきている空をふっと仰ぐ。


任務終わりだと毎回朝になるような空のように、毎回毎回、こんなやりとりばかりをしていても何も進展しない。

何か動かなくては、何も変わらないのだ。


空だったら、雲が動くことによって天候も変わるし空模様だって変える。

そんなふうに動かないと駄目なのだ。

それは分かっているのにどこか決心がつかずにここまでずるずると同じようなことばかりを繰り返してきた。


(....一応、初恋なんだけどなぁ)


私が初めて恋した炭治郎。

どうしてもどうしても、振り向いてもらいたい。



/ 77ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp