第2章 気づくまでのタイムリミット『冨岡義勇』
私が行ったときにはもう柱の皆は揃っていて。
そして柱合会議が始まった。
「おはよう。今日は暖かい日だね。またこうして柱合会議を迎えられたこと。嬉しく思うよ。」
「「「「はっ」」」」
全員が一斉に頭を垂れる。
そこから柱合会議は淡々と進められていった。
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「-------はい。じゃあ今日はここまで。みんなありがとう。」
お館様のその一言で柱合会議が終わって。
皆がざわざわとしている中、私は冷や汗を垂らしながら必死に不死川さんに見つからないようにコソコソと帰ろうとしていた。
(ううぅ、怒られるのが目に見えてるもん...)
前回も同じような手で義勇さんを柱合会議に行かせた手前。
もう不死川さんに見せる顔がない。
そう思ってそそくさと帰ろうとしたとき....
「おォい、華さァん??」
びくっ!!
めちゃくちゃ大きく肩が動いたのが分かった。
そして前とはまた大きくなった怒りのオーラに後ろを振り向くことができない。
だからといってそのままスタスタと歩いていくこともできず、そのまま立ちすくんでいると....
「なァ華さんよォ、こいつなんとかしてくれんだよなァ??」
(?こいつ...?)
その言葉の意味がわからなくてようやく後ろを振り向くと....
「...えっ」
(義勇さん...なにしてんの....?)
そこには、不死川さんにぴったりとくっついて離れようとしない義勇さんの姿があった。
しかも片手に、おはぎを持って。
「あの、不死川さん、それ....」
恐る恐る聞くと、笑っているのに目は笑ってない不死川さんとばっちり目があった。
「柱合会議が終わって帰ろうとしたらこいつに引き止められてよォ、話すのも嫌だったのに必死に言うから何だと思ったらおはぎだとォ?」
もう青筋が額に見えるほど怒っているのが分かる不死川さんに何も言えずにただ縮こまる。
「それで誰の差し金から聞いたらお前だとなァ」
(うっわこれほんとにやばいかも....)
こんなに修羅場っぽくなっているのにまったく表情を緩めない義勇さんにもはや苛立ちを抱く。