Second reincarnation【ツイステ】
第9章 怒号炸裂
「…は?今なんて言った?」
アズールとジェイドと三人で、次の契約者リストを吟味していたら…
妙に大人しいフロイドが、オクタヴィネル寮の談話室に戻ってきて早々信じられないことを言った
「だからぁ…小エビちゃんのこと、泣かしちゃったって言ってんじゃん…」
「なんでそんな事になってんだよ。喧嘩か?」
「レイさん、温厚そうですから…早々フロイドに怒りをぶつけそうなイメージはありませんけどねぇ…悪戯のしすぎで転ばせてしまったとかですか?」
「二人とも…人一人泣いてるというのに少々軽率すぎですよ。フロイド、何があったのか詳しく話しなさい」
オレとジェイドが話半分に予想を立てていると、アズールに軽く怒られてしまう
…まさか、フロイドがこうなってる原因が秘事に由来しているだなんて思わずに…
事の顛末を話し始めたフロイドの言葉に、オレ自身の血の気がどんどん引いていく事になる
「小エビちゃん、前に良い匂いがしたから確かめようと思って魔法を使おうとしたんだけど…」
「……………へぇ……それで?」
「そしたら、魔法かける前からボロ泣きすんだもん。そしたらなんか…この辺が苦しくなって…やめた」
そう言いながら心臓の辺りの制服のシャツをギュッと握りながら、ポツポツと喋り終わる
…やめた…ってことは…魔法は解かれてないってことで良いのか
オレからも魔法が解除された感じはしない…レイが泣いたのはただ単に正体がバレそうになって泣いただけみたいだ
それなら良かっ―……
「……全ッ然良くないですよ…フロイド貴方、まだ学園生活が始まって数日の新入生に何をしているんですか!!」
「…アズールが怒った…」
「シロさん、ここは静かにしておいた方が懸命ですよ」
まぁまぁそのくらいに…と言おうとしたところで、ジェイドに止められてしまったので席に座り直す