Second reincarnation【ツイステ】
第1章 入学式
…なんだろう
なんか…声が聞こえる
聞き馴染みのない単語ばかりで、なんて言っているかはわからないけど…言葉は一応聞こえる
そもそもここはどこだろう
目を開けても辺りは真っ暗で何も見えない
手を伸ばすと、ここがかなり狭い閉鎖空間だと言うことはわかった
あと、自分がいつもとは違う変わった服を着ているってことも分かる
こうなる前まで何をしていたか思い出そうにも、自分の名前と自分の性別くらいしか思い出せない
…両親の顔とか…住んでた場所の地名とか…何も思い出せない
こういう時、人間という生き物はパニックになりそうなものだと思っていたけど、いざ自分がこういう立場に置かれると意外にも冷静なもので…
騒いで喚き散らして…っていう気は起こらなかった
そもそもここ、狭くて動けないし…
さてどうしたものかと考えていると、急にガチャッと音が鳴った
そのまま目の前の空間に光が差し込む…でも明るい光じゃない。薄暗い光で、眩しいとかは感じなかった
目の前が開ける頃にはすっかり辺りの状況が目に入ってきていた
一面が、黒と紫を基調とした金色の刺繍をあしらった…フードを被った人たちで埋め尽くされていた
異様な光景だということは理解できたが…こんなところで騒いだら死、あるのみ。という予感がしたので口を閉ざす