Second reincarnation【ツイステ】
第3章 深夜の訪問者
そのまま、聞いてみな。と諭されてしまったので…おずおずと説明をする
私は女で、この学校は男子校だから自分は相応しくないと。そもそもここにくる前の記憶も曖昧で、魔法やこの世界のことについてよく分かっていないと
だから、元いた自分の世界に帰りたいと告げた
思いつく限りの話を全て話したところで、ずっと話を聞いていた学園長も口を開く
「それは…困りましたねぇ」
「え、困るんですか」
「この学園を出ること自体はさして難しくはありません。困ると言うのは、記憶が定かではない貴女がどうやって元の世界に帰るかと言うことです。国名や地名も覚えていないんでしょう?」
「あ…そういえば…そうです」
そうだった…帰る手段のことを考えてなかった…
しかも私どこに帰ればいいのかも分かってないじゃん…
一気に押し寄せてくる悩みで頭がいっぱいになる
「じゃ、帰る手段ここで探せば?4年もあれば流石に見つかるでしょ」
「それは名案です。幸いレイさんは魔力があるのでここで暮らすことに威を唱える者はいないでしょう」
「え…良いんですか?だって私…性別が…」
「今もそうだとは思いますが…性別の問題についてはシロさんのユニーク魔法に頼れば良いでしょう。下手に隠すよりよっぽど効果的です」
確かに…今、ちゃんと体が男になっているし…
うっかり事故に遭ったり、男子校特有のノリに付き合わされたとしてもこれならバレない…はず
でもそんな…頼んでしまっても良いのだろうか。と思ってシロ先輩の顔を見ると、ニコッと笑ったシロ先輩が口を開く
「オレもアズール達にこき使われるより、こういう人助けなら文句なしに手を貸してやるよ」
「…ありがとうございます…!それなら私、やっていけそうです」
「決まりですね。ならレイさんのことはシロさんにお任せしましょうか」
「当面はまずこの学校に慣れることが最優先だな…しばらくは授業で疲れて調べものどころじゃなくなるだろうし」
「そうですねぇ…この学校の生徒である以上そこは頑張っていただきたいですねぇ」
「頑張ります!あの、改めてよろしくお願いします」