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君と見るセカイの色は【マギ】

第4章 光さす



紅明の筆が止まり、小さな沈黙の途中紅明があぁと声を発した。

紅炎は無言のまま目だけで紅明を見る。

「1人……昔聞いた話ですから真偽はわかりませんが、思い当たる女性がいますよ。」

たしか…と紅明は続ける。

「もう何年も前になりますが、幼いころ一度夜中に徘徊している紅玉を見たことがありまして。
何をしているのかと問い詰めたら、友達に会うと。」

「友達…?紅玉にか?」

眉を寄せ、信じられないというように紅明を見る紅炎。

「えぇ、私も不信に思い後を追いました。すると、罪人を捉える牢の前に座り、中にいる女性と何やら話していたのです。楽しげに笑って。」

「牢…なぜその中に居る罪人が女とわかった?」

すると、紅明はクスクスと笑いだした。

「紅玉が名前をカナと呼んでいたのですよ。
扉の中から聞いた声が当時の紅玉と変わらぬほどの女児のものでしたし。」

「幼い女児が罪人として牢にいたのか。」

紅炎がそう言うと、紅明の顔が曇った。

「兄王様…カナという名を聞いて思い当たりませんか?」

「知らん。女の名前になど興味無い。」

あぁ…と、紅明は頭をかく。

「まだ前皇帝陛下がご存命だった頃、父上が大層寵愛された側室がいたようです。魔力保有量が高く魔法道具の精製に長けていた国、トプア王国の第一王女テル様。しかしトプア王国は人は優れても資源に恵まれず、裕福ではなく他国との貿易でようよう成り立つ国だったようです。。テル様は王女の中でも1、2を争う力と美貌を持つお方だったそうです。寵愛されていたとはいえ、陛下との婚姻にも裏がないとは言いきれないでしょう。」


紅炎は書類の手を止め、片肘をついて手に顎を乗せた姿勢で紅明の話を静かに聞いていた。
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