第9章 滅却師
『あ、石田雨竜!!』
「!?紫陽花さん…?」
『雨竜って呼んでいい?』
「あ、あぁ」
壊牙はにこりと笑顔を向ける
「////」
『雨竜も遅刻なの?包帯ぐるぐるだねぇー』
「あぁ、紫陽花さんは?」
『んー?私はー………寝坊、かな?』
そう言いえへへっと笑う壊牙
「…そうか。ところで紫陽花さん、壊牙って紫陽花さんのことだよね?」
『………うん、そうだねぇ。』
前を向きながら淡々と答える壊牙
「………」
『……知りたい?でも、教えてあげませんよ?紫陽花って呼んで下さい。』
「……黒崎や、朽木さんは…?」
『雨竜。踏み込み過ぎは良くありません。』
「!!すまない…」
壊牙の唯ならぬ空気に気圧され謝る石田
『別に、分かってくれたならいいよ。ところで雨竜、言い訳どうするの?』
「……無難に階段から落ちたことにするよ」
『……ベタだね。』
───────
「石田!?どうしたのそのケガ!?」
ケガだらけで登校した石田に瞠目する越智
「階段から落ちました」
先程言っていた通りに言う石田
クラスメイト達は思った
(((なんてベタな)))
「へぇーま、いいや。席ついて授業続けるから」
何事も無かったかのように授業を再開する越智
ダダダダダッ
ガララッ
『間違えて3年生の教室入っちゃった!!!』
(((いや、なんで??)))
「おぉー紫陽花、お前も遅刻かー?」
『あはは〜ごっめーん寝坊しちゃった☆』
そう言い壊牙はルキアを見た
───────
『………………』
「珍しいな、お前が授業起きてるなんて」
『そう?私だってそんなずっと寝てる訳じゃ無いよ』
そう言い窓の外に目をやる
『…………もう、帰ろう…』
そう呟き席を立ち鞄を持つ
「おい、紫陽花?」
越智に名前を呼ばれるが何も言わず扉に手をかける
「紫陽花!?」
『あぁ、忘れてたよ。越智ちゃん、気分が悪いから帰るよ。じゃあ』
「………紫陽花…?」