第6章 紫陽花
『〜〜♪』
壊牙は歌いながら一番隊隊舎に向かう
『紫陽花です』
「……入れ」
『…………』
中に入れば深刻そうな顔をした総隊長がいた
『……十番隊?』
「……あぁ、分かっておったか。頼めるな?」
『御意』
──────────
『あの人の情報は少ない、あと4箇所廻れば情報は"消える"……』
そう言いながら戸籍を消していく
『■■■■、■歳、■型、■/■生まれ、■/■死亡、…………』
全てを消していく壊牙
『よし、次は……』
そう言いまた一つ彼の人の情報を消しに行く
空は茜色に染まり始め夜を連れて来ようとする
月が空高く昇る頃には全ての情報を"消し終わった"
太陽が顔を覗かせると同時に壊牙はある所へ向かう
コンコン
「入れ」
『失礼します。十番隊日番谷冬獅郎隊長に御報告せねばならなければいけない事があります。』
「………」
『……十番隊隊員■■の処分を言い渡されました事を御報告しに参りました。』
「!?」
日番谷は壊牙の口から発された名前に驚愕する
「■■ってお前………仲、良かった奴じゃねぇか……」
苦い顔をし壊牙に目をやる日番谷
『………私は"紅狼壊牙"ですよ?
彼女と仲が良かったのは"紫陽花"です。』
その言葉に目を瞑り頭を下げる
「俺の部下だ……すまない。………報告、受け取った。」
日番谷の言葉を聞き踵を返す壊牙
──────────
『私の友達になってくれてありがとう。』
そう言い笑顔を向ける壊牙
「がッ、………はッ」
瞬間、心の臓を一突きする
死神が最後に見た壊牙の表情は今まで見た事の無い位
無表情だった