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鬼胎を抱く

第2章 鬼と異界


「まじか!!スゲェ!・・・っじゃなくて!!」

五月蝿くなった途端に、真剣になる。何だコイツは、情緒不安定なのか?

「お前、名は?」

「鄙鬼です。」

「そうか。じゃあ鄙鬼、俺はジンだ。ジン・フリークス」

お互い自己紹介をすんだところで、ジンに家に来るように言われた。
何故こんな所に家があるだなんて突っ込まない。
家に着き、私達はテーブルを真ん中にして、向かい合うようにしてすわった。

「まず、聞きたい事が三つだ。」

そう言ってジンは、3本指を立てた。

「一つ目、どうやって此処に入ったのか。此処は、ハンター以外立ち入り禁止だ。」

「どうやって、と聞かれましても・・・、気付いたら此処にいました。」

質問に、素直に答えたというのに、ジンは怪訝そうに此方を見ている。
何だ、信じられないと言うのか?そんなお前は、地獄逝きだ。

「質問を変えよう。此処に来る前に、何かしたのか?それとも、誰かに会ったか?何でもいい、憶えている事を教えてくれ。」

「何でも、ですか?」

「あぁ、何でも。」

「・・・地獄で、異界に繋がる穴に入りました。さっきも言ったとおり、私は鬼ですので。」

そう言って、私は頭に巻いてある頭巾をとった。そこから現れたのは、黒く光っている角だった。
これを見たジンは神妙な顔つきで頷いた。
え?これで納得するのか?・・・大丈夫かジン。

「そうか・・・。二つ目だ、鄙鬼どうして、この世界・・・つまり、鄙鬼で言う異界に来たのか、その理由が知りたい。」

「あぁ、亡者が地獄から逃げ出したので、捕まえに来ました。」

私は、懐から写真を取り出しジンに見せた。

「この端っこに写ってる人なんですけど、知っていますか?」

「いや、すまないが見た事もない。」

「そう、ですか。・・・それで、三つ目の質問は?」

「其れは、もういい。異界に繋がる穴から来たんだろう?念能力者が関わっていないと知って、此方は万々歳だ。」

「念?能力者?・・・何ですか、それ?」

ジンは、顔を顰め此方を見た。

「・・・知らないのか?」

「ええ、ここに来たばっかですので。」

「まっ、それもそうか。・・・念と言うのはな、」

つまり、ジンによるとこう言う事らしい。










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