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もう迷わない辿り着けるまで〔気象系BL〕

第9章 夢浮橋



そうして、落ち着いて考えてみれば
やっぱり一番の責任は自分にあるような
気がした。

本当に、何にそんなにムキになって
いたのだろう……?

どうして、あれほどまでに翔に頭を下げて
欲しいと願ってしまったのだろう……?

翔を本気で愛しているのであれば
年上の自分が折れてるべきだったのでは
ないか……。

翔の夢を、ともに追いかけ
翔が愛している家族を大切にして…

今までの頑固な自分を殺して
たとえ日向で生きようと
翔のためを思い、
そして、守るために口をつぐみ、

数か月に一度の逢瀬で我慢をして、
逢ってくれるだけでもありがたいと
思うべきだったのだ。

自分のプライドなど捨て去りしていれば
こんなバカげたことは起きなかっただろう。

だけど…
そこまでわかっていても、
この先そんな物わかりのいい恋人になれる
自信など欠片もない。

それをやる意味は何なのだろう…?
メリットはなんだ?
それをやれば、二人はホントに
幸せになれるのか?

そもそも、自分が変わることが
できるのだろうか?
そんなことできるはずがない。

そんな自分は想像できない……。

だいたい、そんなの大野智じゃない。

俺の25年間の人生を消すのと
同じじゃないか……?
そんなことできるはずがない。




そうして、自分が変われない以上
きっとまた同じことを繰り返してしまう。
間違いなくまた翔をキズつけてしまう。

今度こそ修正不可能になり、
後戻りできなくなってしまう。

身体だけではなく、
心までも奪ってしまうかもしれない…。


だったら、自分のできることは……
ただ一つしかないのだ。







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