第1章 出会い
「ふー。やれやれ」
「智は手のかかるやつだなー」
「智って、さっき一緒にいたちっちゃい子?」
いきなり俺の机に張り付いてきたやつは、
「相葉雅紀だよ!よろしくね!」
アイドル顔負けのきらきら笑顔で、自己紹介してきた。
「おまえ、こいつ引いたんじゃん。ぐいぐい行き過ぎ」
「えっ!そうなの!にのちゃん引いてるの?」
なんかめんどくさいなー。しかも、にのちゃんって…
困った顔で相葉の隣にいるやつを見上げると、
「ごめんね。こいつうるさくて、ちなみに俺は松本潤って言うんだ。」
「みんな松潤って呼んでるよー。顔は怖いけど、すごい優しいんだよ。」
バシッ
「いってー!松潤ひどーい」
「お前が余計なこと言うからだろ!」
目の前で繰り広げられる掛け合いがなんだかおかしくて、吹き出してしまった。
すると、相葉が急に真面目な顔になって、じっと見つめてきた。
「な、なんだよ。」
「…かわい、い」
えっ?
「かわいいよ。にの」
何言ってんだよ。
バシッ
「いってー。にのちゃんまで…ひどいよ。」
横を見ると松潤も笑ってて、なんだか心地よかった。
あー、この人たちとなら楽しくやれそうだ。
笑い合う俺たちを春のあったかい風が包み込んだ。