第6章 嫉妬と妬み
《智side》
「あっつー」
6月にしては暑く、蒸し暑さに倒れてしまいそうだ。
みんな、制服の襟元をパタパタしながら下駄箱に入っていく。
「そういえば、1時間目体育だったよね?」
「えー。サボろっかなー」
ダメだよ。にの、前もサボったじゃん。
なんて言いながら自分の下駄箱を開けると、白い封筒が入っていた。
イタズラかな?なんて軽い気持ちで見たおいらがバカだった…
封筒の中には紙が1枚と写真が2枚入っていた。
1枚目の写真はおいらが翔くんに笑いかけている写真
いい感じに撮れてんじゃん!なんて、にやにやしたのも束の間、
2枚目を見た瞬間、おいらの笑顔が引きつった
そこに写っていたのは、おいらが自分の家に入る瞬間だった。
なにこれ…
写真と一緒に入っていた1枚の紙を見たところで
おいらの顔から笑顔が消えた。
そこには、おいらと翔くんの関係に対する妬み、
異常なほどのおいらへの愛情が綴られていた。
「どうしたの?智」
固まっていたおいらに気づいたにのが心配そうに覗き込んできた。
「う、うんん。何でもない…」
にのに見られないように封筒の中身を靴箱に押し込んで
無理やり笑顔を貼り付けた。
にのは不審そうな顔をしながらも、
ふーん。と言って、何も聞いてこなかった。