第4章 The Straight Road
空に小さなひびが集まっていき、やがて大きなひびが現れる。
その様子をじっと見つめた後、綴は振り返った。後ろには綴の次の行動を待つように、綴の次の指示を待つように全く動かない虚がいた。
「お帰り」
その虚に魂葬を施せば、また2体3体と虚が綴の元へと集まってくる。
魂葬をするという点で滅却師の撒き餌は便利なのかもしれない。
ふと出来心が湧いたが周りに被害が及んでいるこの状況を考えてさすがにこれから使おうとは思わなかった。
……ただ、それにしては数が多すぎるな。
周辺にいた虚を全て尸魂界へと送った途端、違和感を形にする間もなくひびの中から大虚が顔を出す。空のてっぺんに届きそうなほど大きなそれに恐ろしさではなく、親しみを抱える自身に綴は懐かしさを覚えた。
きっと向こうは一護と喜助がどうにかしてくれる。
案の定大虚に頭から縦に大きな切り傷が生まれていく姿が目に入った。それはどう見ても大虚に強過ぎるダメージであろう。
大虚が斬られた痛みに驚いたのか虚圏に帰って行く様を綴は見届ける。胸に少しの痛みを感じながら。