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第二補佐官は第1補佐官の嫁です【鬼灯の冷徹】

第18章 かさかぢごく


瓜美が昔話の「かちかち山」を音読し始めた

かちかち、かちかち

「うさぎどん、この音は何だい?」

「かちかち鳥さ。かちかち山に住む鳥だよ」

うさぎはたぬきの背負っている柴に火をつけました。

ぼうぼう、ぼうぼう。

「うさぎどん、この音は何だい?」

「ぼうぼう鳥さ」

次の日、うさぎは、火傷したたぬきの背中に薬だと言って……

芥子味噌をごってり塗り込みました

「助けて!助けて!泥の船が溺れていく!」

「さぁたぬきどん!この櫂に捕まって!」

そう言いながら、うさぎは櫂でたぬきを叩きました。

やがてたぬきは力尽き、沼の底へ沈んで死んでしまいました

昔話の残酷さに静まり返る獄卒達。

貴方「悪因悪果。天網かいかい。これが地獄で最も大切なことです」

獄卒「…結構、凄まじいというか……」

鬼灯「昔話とは凄まじいものです」

貴方「そもそもこの狸は杵でお婆さんを殺した上、お婆さんの肉で作った汁物をお爺さんに食わせたのですよ。そんなもの余談で済みますか?」

鬼灯「最近の現世の絵本では残酷な部分を割愛したものが多いですが…この狸が残酷なことをしていないと今度は兎の報復の仕方が酷すぎることになるんです。それでは本末転倒です」

貴方「泥船を作っている時の兎はどんな気持ちだったのか……」

貴方「皆さんもよく考えてみてください。地獄とは正にこのためにあるのです」

鬼灯「そんな訳で」

鬼灯がパンパン と手を叩く

すると一羽の兎が出てきた

鬼灯「そのうさぎどんに来てもらっています」
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