第5章 白澤
鬼灯・貴方「.........」
閻魔「どうしたの鬼灯君瓜美ちゃん」
鬼灯「昨夜ちょっと徹夜で......」
貴方「私もです......」
目をこする鬼灯と小さくあくびをする瓜美。
閻魔「え~~不眠は肌によくないよハゲるよ」
鬼灯・貴方「お前がハゲろ」
鬼灯「あ、これから桃源郷へ行ってきます。注文していた薬ができたようなので」
貴方「私はまた別件の薬で」
閻魔「ハ...ハゲるもんか...ああ、鬼灯君は和漢薬の研究もしてるんだっけ?お疲れ様。薬ってことは白澤君に会うんでしょ?あのコ、君と似てるよね。顔つきもだけど小賢しい所がさ」
鬼灯「それ、よく言われますが酷く屈辱です」
思い切り嫌そうに顔を歪める鬼灯。眠たげな目付きも相俟ってすごい人相になっている
貴方「そんなに似てます?顔についてはあまりそう思ったことはないんですけど…』
閻魔「え、そうなの?ワシも今はそうでもないけど、最初はやっぱり似てるなって思ったよ。親戚って言われたら疑わないレベル」
鬼灯「瓜美さんは昔から私の顔を見慣れているからかもしれませんね。……でもそう言ってくださるのは嬉しいです」
貴方「ああ、それはあるかもしれません。誰と比べても、私には鬼灯が一番素敵に見えるからので」
鬼灯「瓜美…」
閻魔「……あの、…ここで二人の世界に入るのはやめてくれないかな…」
見つめあう部下夫婦に居心地悪そうな閻魔大王が恐る恐る声をかけると、鬼灯はチッと思い切り舌打ちをして、瓜美と共に法廷の入口へ向かった