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第二補佐官は第1補佐官の嫁です【鬼灯の冷徹】

第26章 十王の晩餐


獄卒«ハイ、並んでくださーい。列は乱さないで!»

亡者の大行列に向けてメガホンで呼び掛ける獄卒

そこに巻物を持って通りかかる唐瓜

唐瓜「?この列は……」

獄卒「拷問待ちだよ」

唐瓜「拷問待ち!?」

獄卒「裁判を全て終えた亡者で“まァ大した罪なし”となった者が一回だけ罰を受ける列さ。逃げたら即刻地獄だから皆大人しく我慢してんだ。ま、痛いのなんて一瞬さ。あとは転生か天国が待ってるんだ」

笑う獄卒

唐瓜「…予防注射の列みたいだな……」

その予防注射みたいな亡者達の大行列に鬼灯と瓜美がメガホンで話す

鬼灯«情状酌量による現世か天国逝きの皆様。誠におめでとうございます»

後ろのラジカセから“蛍の光”が流れている。

亡者「…あの曲の演出地味に嫌だな……」

貴方«しかしこれもひとえにご遺族の手厚い供養の賜。本来ならば地獄逝きの人もいます。何百何千年と続く刑がたったの一回で済むのですから»

鬼灯«この供物の山を見てご遺族に十分感謝なさって下さい»

そう言われて自分宛の供物を見る亡者達。

亡者「あっ…アレ、うちの嫁の手料理だ……」

亡者「アレは孫が供えた似顔絵とジュースだな……きっと」

亡者「パ●の果とコアラの●ーチ率が異様に高いな……」

貴方「鬼灯、先に行ってますね」

鬼灯「はい」

どこかへと歩いていく瓜美

亡者の列が前へと進んでいく。その先には保健室にあるカーテンが見えた。そこから顔を覗く獄卒。

獄卒「ハイ、次の人ー」

順番に亡者が入って行く。

唐瓜「…あの中では一体どんな……」

鬼灯「え、別に大したことはしませんよ。ちょっと舌を抜くだけです」

唐瓜「だけ!?」

鬼灯「すぐまた生えますよ。それで無罪放免なら安いものでしょう」

唐瓜「結構な代償ですよ!?」
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