• テキストサイズ

【鬼滅の刃】かざぐるまの恋【我妻善逸夢】

第7章 本当の姿




善子…

最期に、もう一度だけ会いたかった。


だった数日しか一緒にいられなかったのに、

善子が私に向けてくれた笑顔、
抱きしめてくれた腕の確かなぬくもり、
涙を拭ってくれた手、
真っ直ぐ私だけを映した琥珀色の瞳



どうしようもなく気になって、
追いかけたくて、
そばにいたかった。


でも、それももう叶わない、
叶わないんだ……





ーーザンッッ!!



「ケツまくって出直してきな!!」


低く、唸るような声が聞こえた。
それと同時に、
重力で地面に叩きつけられる衝撃を受けた。


「…っ!?」


目を開けると、
頭は猪、身体は人間という
奇妙な生き物が二本の刀を振りかざしている。



「オラァァァ!!!」



刀を向けた先には、
ぐねぐねとした細長い何かが蠢いていた。


(どこかで見たことのある柄…)


…!?蕨姫の帯…!!



突然ギョロッとした目が現れる。


「アンタにやられた分は

すぐに取り戻せるんだよ

そこの稀血の女ァ!!

お前だけは逃さない!!」


一息つくごとに、
帯は私を目掛けて飛んでくる。
逃げられるわけがない。ギュッと目をつむった。

/ 56ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp