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【鬼滅の刃】かざぐるまの恋【我妻善逸夢】

第7章 本当の姿



(ここは…どこ?)


真っ暗で、何も見えない。
自分の身体ですら分からない。

ふわふわと浮かんでいるようだが、
生ぬるい、じとっとした何かが全身を這っているようだった。



生まれてすぐ、私は捨てられた。
顔だけは良かったらしく
京極屋の女将さんに拾われたのが、
私の運命を変えた。

名前なんてない。
気がついたら“ 梅月 ”と呼ばれていた。
よくある名前だ。

物心ついた頃から
私は蕨姫の禿だった。
あの頃からもう10年は経っているというのに
蕨姫は老いることもなく、
ずっと美しいまま。


最後に聞いた蕨姫の言葉、
最後に見た蕨姫の牙。

あの女が鬼だと知った今、
モヤモヤとした心の霧が晴れ、
全ての合点がいった。

まぁ、合点がいったところでどうしようも無い。


きっと私は死んだんだ。
自分自身の体温、拍動、肺の動きも感じない。
今から地獄へ行くのかな。


親から望まれて、愛されて
生まれてきたわけでもない。
かと言って誰かを心から愛したこともない。


生きていたって、
どうせ男に弄ばれるだけなら
このままーー……




「梅月ちゃんを傷つける奴は

俺が許さない」




暗闇の中で
善子の声だけが響いた。
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