第2章 * in the bath room
「一緒に入る?」
いつもの冗談のつもりだった。
いつも恥ずかしがるゆめを、ただ、からかいたくて。
「入る。」
予想外の返事に、思わず固まってしまう。
ゆめを見ると真っ赤な顔で、「日々人がいったんじゃん。」と怒っている。
可愛い。
「嫌ならいいけど…。」と沈黙に耐えかねたようにゆめが言うから、「嫌じゃない!入る!」と慌てて答える。
でも不思議に思って、なんで一緒に入ってくれるのか聞くと、ずっと俺と会えなかったから、少しでも一緒にいたい、と言う。
もう、たこみたいに赤くなった顔で。
会えなかったのは、ゆめの出張でいなかった4日の間だけなのに…。
愛おしさにぎゅっとゆめを抱きしめ、耳に、頬に、唇に、とキスを落としていく。
唇に痺れたような快感が走り、理性が揺らぐ。
このままここで押し倒してしまいたいのを、必死で堪えて、ヒョイとゆめを抱えて風呂場へと急ぐ。
脱衣所へ下ろし、湯船にお湯を張るために蛇口を一気にまわすと、服を脱ぐのももどかしく、キスをし、舌を絡める。
はやる気持ちを必死に抑えて、自分の服を脱いでしまう。
ゆめは恥ずかしいのか、まだ部屋着のスウェットすら脱いでいない。
ニヤと笑って、「脱がせようか?」とからかうと、真っ赤な顔で、「じ、自分で脱ぐ!」と背を向けて、服を脱ぎ出す。
何回も体を重ねて、余すとこなく見ているはずなのに、まだ恥ずかしいらしい。
焦ったくて、スウェットの上を脱いだゆめの真っ直ぐな背骨にキスをして、ブラのホックを外し、するりと紐を持って、脱がせてしまう。
「日々っ?!」
慌てているゆめを「早く…。」とわざと耳元で囁いて急かす。
ビクリと震えたゆめが、でもゆっくりとズボンを脱いでいく。
華奢な、でもほどよく肉のついた太腿があらわになる。
すぐにも触れたいのを我慢して、今度はお腹に手を回して、カプリと耳たぶを甘く噛むと、「やっ。」とゆめが声を漏らす。
俺にイタズラされながらも、やっとのことでパンツを脱いだゆめの下半身に、我慢できずに触れる。
「んっ」とゆめが目をぎゅっと閉じる。
そこは、まだ触ってもいないのに、クチュリ、と音を立てて、今にも俺の指を飲み込んでしまいそうなくらい濡れていた。