one piece of my Dream [ワンピース]
第10章 貴方の声が
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見張り当番だった俺は、朝方部屋へと戻った。
二段ベッドの下の段が二つあいたままで、
ひとつは俺の。
もうひとつは………クソマリモの。
……結局、帰ってこなかった。
また、どっかの女と………
なんてことを思いながら、朝食準備までの少しの間、
仮眠をとろうと自分のベッドに入る。
ふと、異様に膨らんだルフィの布団が目に入り、
何故か嫌な予感がして、ゆっくりと布団をめくる。
「………っ!……しん……」
遠からずも当たった予感に心がざわめく。
ルフィの腕の中にスッポリとくるまって、
安心しきったように眠る、しんと、
大事そうにそれを守るかのように眠るルフィの姿。
今すぐにでも引きはがして、
俺の腕の中に閉じ込めたい衝動に、
無意識に手が伸びる。
「…ん……寒ぃ……ルフィ…」
ブルっと体を震わせ、しんが呟く。
「やべ――…」
慌てて、布団をかけようとすると、
「…んなら……もっとこっち来いよ……」
腕をしんの腰に回し、引き寄せるルフィ。
「……んん……」
さらに擦り寄る、しんの体が、
ルフィとの距離をゼロにする。
再び、何もなかったかのように眠りについた二人に、
布団をかけ、部屋の外に出た。