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平等な死などない【ワンピース】

第9章 新規海兵育成記


あの後は何も無く、無事に遠征を終えた新兵達の乗る海軍船は海軍本部の港に停泊していた。各々疲れた表情で船を降りる中、クザンだけはどこか満足気に船をおりていく

「なんじゃ、なんかええ事でもあったんか」
「別に~?」
「おぉ~、なんかあったんだねぇ~」

迎えに来ていたサカズキやボルサリーノは、満足した様に荷物を運ぶクザンに首を傾げる。今回の遠征で何か得られたのなら良いかと先に戻ることを伝えると、自分達の鍛錬へと戻っていった

クザンは、今回の遠征で確かに得るものがあった。新世界での海賊との戦いもそうだが、その事で恐怖の念が薄れることがあったのだ

「おいクザン、早くしないと入浴時間が無くなるぞ」
「あっ、はい!お先に失礼します!」
「ん」

化け物だと思っていた、クマラへの恐怖の念。最初こそ冷たい言動や化け物地味た能力に怯えていた節があるが、クマラが我が子にはあんなにも真っ当な人間のように接せられることを知り、(ちゃんとした親なんだ)とどこか微笑ましく思えるようになった

親に恵まれなかったクザンは、ほんの少しだけあの時であった海賊を羨ましく思いつつ入浴場に駆け足で急ぐ。入隊して四ヶ月で、クザンは少し協調性というものを得つつあった
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