• テキストサイズ

平等な死などない【ワンピース】

第9章 新規海兵育成記


「ここが海軍本部……」

クマラが見上げた先には、島の半分を使用し作られている建物。中央には“海軍”と書かれており、町は和風な趣あるものが多くそれでいて賑やかだ

凄いなぁとまるで少年のようにそれらを眺めるクマラに、センゴクとガープはにっこり微笑み子電伝虫を取り出す。中身は自分たちより年上だとわかりつつ、その姿様子はまだ歳若い成人したての様なもの。大好きな人の新鮮な表情に写真を撮る手が止まらない

そうこうしていると、どこからとも無く「あんた達!」とお怒りの声が聞こえてきた。スっと子電伝虫を隠したセンゴクとは違い、開き直っているのかガープはずっと撮り続けている

「ガープ!あんたまたロジャーの所に行ってたのかい!」
「おつるちゃん許してくれ!頻度は今後下げるから……」
「全く、ライバル関係は勝手だけど仕事ほっぽり出してまで討伐しに行って欲しくないよ!センゴクも、幾ら仕事帰りだったからって!」

怒りが治まらない様子のおつるを他所に、センゴクは実はと途中で連れてきたクマラを引っ張ってくる。どこから持ってきたのか分からないホットドッグを食べているクマラに、おつるはただ唖然とした表情に

「ほ、本当にクマラさん……?」
「誰だお前」
「おつるですよ。あの時はお世話になりました」

ペコ、と一礼するおつるにつられてクマラもペコリと頭を下げる。ガープが「クマラって頭下げられるのか」と言ったら顎に拳が飛んでいった

その後は普通にガープが元帥室までクマラを連れ込み、一時的に自分の部下にしたいと話しクマラは補佐官としてガープの元に就く事が決まった。試験を通らない推薦式……ましてや、かの伝説の海兵と呼ばれるようになったガープの補佐官ともあり、すぐにクマラの存在は海軍本部内に知れ渡り始める

「こんな広い建物なのに俺の事はもう知れ渡っているんだな。情報が早い」
「話すのが好きなやつにバレりゃイチコロなんだ、ここ」

だからなんか隠し事あるなら徹底的にな、とガープは少し頬を赤らめてクマラに告げた。ガープの脳内ではクマラがベッドの上で男として興奮している姿が過ぎったのだ

クマラはそれに気づかず、兎に角わかったと返事した。クマラにとっての隠し事は、不老不死である事ただそれのみ
/ 139ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp