第7章 ゴッドバレー事件(※)
「パパに近付くな!」
「敵船長のクセになんでこの船の横で停泊してるんだよ」
「失せろ」
パパ親衛隊の、順にオーブン・ダイフク・カタクリは殺意を剥き出しにしてクマラの前でロジャーを威嚇していた。それを見てロジャーは一人遠くの空に視線を移す
「……子持ちだったなんて聞いてねぇよォ……」
「泣くなロジャー」
手で顔を覆い空を仰ぐロジャーの背中をレイリーが摩った。フルフルと小刻みに震えるロジャーを他所に子供達は満足気にクマラの足に抱きつく
クマラは現状に理解が追いつかず、まぁ良いかと子供達を一人一人安定する肩に乗せたり腕で持ち上げたりした。ロジャーはちらりと指の隙間からそれを覗き、子供を一人一人見定め始める
「……一人一人クマラの特徴受け継いでるな」
「俺の子だからな」
さも当然だろうと言いたげにそう言い放ったクマラに対し、何か敗北した様な感覚を感じつつリンリンを見る。クマラ戻ってきて有頂天な彼女は嬉しそうにバクバクとスイーツを口にしていた。怒る時も嬉しい時も、彼女の手にあるのはスイーツである
子供たちがおやつの時間だと気付きそちらに走っていくのを見計らい、ロジャーはそっとクマラの横に行った。いじけている姿を見てクマラはロジャーに話しかける
「どうした、ロジャー」
「子持ちだっでなんで言わなかったんだよ……」
「聞かなかっただろお前」
わざわざ言うことか?と告げるクマラに対し、ロジャーは一瞬ムッとした表情を見せたがなにか閃くと「今はもう大丈夫だ!」と笑った。あそこまで落ち込んでいたのにと首を傾げるレイリーだが、何をしたいのか全く分からないので想像することを諦める
その後子供たちと一緒におやつの時間を取ろうと腕を引かれていったクマラを見送り、やっぱり妬くなぁとロジャーはその後ろ姿を見送るのであった